
おはようございます。
笑う角には福来たる。
笑わせ介護士の八福です。
今日は、「フットケア」について書いていきます。
私も研修で学ぶまで、「足」というものに特に注意をしておらず、こんな概念は全く知りませんでした。
でも、日々介護をする中で、これってとても大切だなって感じました。
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フットケアとは?
フットケアとは、字のとおり、「足のケア」のことです。爪を適切に切って安全に清潔にしたり、保湿などのスキンケア、マッサージしたりする事を言います。あなたがもし、若くて健康なら、「足のケアって?そんなに大声で言う必要があるような事なの?」って思われるはずです。
しかし、高齢になってくると、これが超重要になってきます。
なぜかというと、体や足の状態によって、
・歩けなくなるかもしれない
・足を切断しないといけなくなる危険性がある
といった、超おそろしい事になり得る可能性があるからです。
こう書くと、超恐ろしい事がわかりますよね(;^ω^)
足を切断しないといけなくなる話については、また別の記事で書きますが、今日は、「歩けなくなるかもしれない」という点について、書いていきます。
高齢になって、歩けなくなってくるのは、まぁ仕方ないと思われる方もいるかもしれませんが、そういう話ではありません。
「足のコンディションの為に、転倒したりして、そのまま長期療養の為に、廃用症候群になり、歩けなくなってしまった。」というような、フットケアによって、一番根本の足のコンディションを改善していたら、もしかしたら今でも歩けていたかもしれない、といった
「なるべくしてなってしまう」事を防ぐ
という話のことです。
歩けなくなるのは何のせい??
では、足のコンディションがどんな状態になって歩けなくなる事があるのでしょうか?
高齢になると、下記のような足の症状が出てくる方が多いです。
特養などに入所されている入居者様では、若い人のような足の状態の人を見つける事の方が稀かもしれません。
特に車椅子生活などで、自分で歩いていない人に関しては顕著です。
歩けなくなったから、足がその状態になったのか?
足がその状態になったから、歩けなくなったのか?
どちらかは、わかりませんが、「フットケア」については、後者の人たちを減らしていく為のものです。
では、高齢者には、どんな足の状態の人が多いのか見ていきましょう。
外反母趾(がいはんぼし)
これは誰しも一度は聞いた事があると思います。足の親指が内側へギュッと曲がって入っており、親指の付け根部分が出っ張っている状態のものです。この外反母趾は、よく「ハイヒールを履くからなる」と言われていましたが、現在では、
足の指で体重を支えて立って歩いていないから
と言われ、「足の生活習慣病」とも言われています。
この外反母趾の人、確かに女性に多いんですが、本当にこの足の人をよく見かけます。ごく軽い症状の人は抜きにして、見ただけで、「そりゃ、歩けないわ!」ってわかりますよ(;^ω^)
試しにやってみてもらうとわかると思いますが、足の指を全部地面に付けずに歩いてみてください。かなり歩きにくいです。
でも、考えてみると、若い我々でも、常に足の指の全てをしっかり地面に設置して歩いているかと言えば、そんな事気にしながら歩いていないですよね?(;^ω^)
靴の底のすり減りを見ると、自分が足裏のどこに荷重をかけて歩いているかがわかりますよね?
これって実は難しい事なんですよね?
爪水虫(つめみずむし)
もし、おじぃちゃんやおばあちゃんと生活をしていた事がある人なら、よく見かけたことがあるかもしれませんが、この爪水虫の人は本当にかなり多いです。
ほとんどの入居者様がなっているといってもいいかもしれません(;^ω^)
この爪水虫がひどくなると、もう私たちが普段使っている爪切りでは切れません。爪を切るためにニッパとか使うんですよ。なぜかと言うと、もう岩山のように、こんもりと分厚くなるんです。
そして、糖尿病などあったりすると、この爪水虫の人の爪切りなどは、神経質にならざるを得ません。詳しくは、また別の記事で書きますが、これは医療行為です。うかつに出血などしてしまったら、えらいことになる可能性があります。
爪水虫がひどくなり、爪が大きくなってくると、靴もきれいに履けなくて、歩きにくいだろうし、その圧迫によって、足の指も尚更曲がってきます。
巻き爪
この巻き爪もよく聞かれた事があると思います。若い人でもこの巻き爪の人は多いですよね?痛くて普通に歩けないし、それにより歩く事が減ってきたり、傷が出来てばい菌は入ってきたりしたら、それは恐ろしい事になります。
上記のような足のコンディションの人は、介護施設においては、本当に多いです。こういった人たちの足のコンディションを改善できれば、少しでも廃用症候群や転倒のリスクを減らせるかもしれません。
不思議なもので、下肢というものは、使わなくなると、固まってきます。地面にしっかりと足底を付けて体重を乗せて歩いているから、私たちのような足の状態をキープできますが、以前は歩いていた人が、骨折などでしばらく車椅子での移動やベッド上での生活を余儀なくされると、みるみる足の状態が変わっていきます。
脚が曲がったまま固まったり、尖足(せんそく)のように伸びたまま固まったり・・・。
それだけ、我々人間の体には、負荷や重力などの力って必要なんですね。
フットケアのポイント
それでは、我々介護士がケアの中で出来得る「フットケア」についてですが、下記のようなものがあります。
足湯マッサージ
高齢者は、足の血行の悪い人が多いです。触ってみるとわかりますが、「冷たっ!」と思う人が多いです。特に車椅子生活の人は顕著です。歩ける人のように、足を動かしていませんからね、第二の心臓であるふくらはぎのポンプも働くわけなく、血流は悪いです。
足の血行が悪いと、それだけ足先に血液が通っていないわけですから、感覚も鈍麻していきます。つまり、ふと立ち上がった時に、足裏で床をしっかり感じられないわけですよね。すると、
転倒リスク大
ですよね?
血流が悪いわけですから、立ち眩みも邪魔する可能性があり、尚更危険です。
だからこそ、足先を足湯などで温めながら、特にヒザ下から足先までを、入念にほぐす必要があります。
足割りマッサージ
これは、私が研修で受けた川崎美織さんというフットケアの先生から学んだものですが、きちんと足の裏と指全体で地面に設置して歩けるように、足の指が曲がって固まってしまわないようにする為にマッサージ法です。
これ、自分がやってもらうとわかりますが、とっても気持ちいいいですよ(;^ω^)
人間は靴を履いている以上、どうしても親指が内側へ入ってきて外反母趾のように変形してきますが、このマッサージをすることにより、綺麗に足の指裏全体で地面を感じる事が出来るようになります。
もし、参考にしたい方がいれば、是非調べてみてください(^_-)-☆
足裏を地面に設置させる回数を多くする。(負荷をかける)
我々介護士は、入居者様の
「残存能力を活かす」
という事が、至上命題にように叫ばれますが、例えば車椅子生活の入居者様でも、手すりを持って立つくらいの事は可能な方が多いです。
そんな方に過度な介護は禁物で、出来る限りご自身の力を使ってもらう必要があります。介護にあたる前に、まずはそういったアセスメントが大切になります。
そして、この「手すりを持てば立てる」という可能性があれば、両足をしっかりと地面について、自分の体重を乗せて立ってもらうという事がとても重要になります。
たったそれだけ??
と思われるかもしれませんが、これが毎日、何回、何十回と積み重なると、明らかに体って変わってきます。
以前は、立つのも厳しくオムツで対応していた方が、しっかりと両足を地面に付けて、両脚でふんばる意識を持ってもらい、一部の介助だけで、トイレに行けるようになったという事なんて、ザラにある事です。
トイレに行って、座った姿勢で排便を促すと、とても気持ちのいい排便が出来るというのも、科学的にわかっている事ですからね。いい事づくめです(^_-)-☆
以上、簡単ではありますが、足の事やフットケアについて見てきましたが、介護業界の今後の「自立支援」や「施設から在宅へ」などの動きを見ていると、本当にこの「足」の事については、もっと重要視されても良いと思います。
昔からよく言われるように、ある意味、
人間食べれなくなったら終わりです。
そして、この歩けなくなることが、本当に食べれなくさせます。
脚は第二の心臓というのも、本当にうなずける話です。
私たち介護士は、本当にもっと「足」の事について学んでいきましょう(^_-)