おはようございます。
笑う門には福きたる!
笑わせ介護士の八福です。
なぜ、介護現場で虐待に及んでしまうのか?
前回、わが子への虐待をしてしまう要因について、私の主観を述べました。
①育児の大変さ
②家族という閉塞した空間(主に核家族)
③社会との繋がりの希薄さ
というものでした。
なぜ、こういった話をしたかと言うと、介護施設での虐待のケースとの共通点が多くみられると思ったからです。
では、なぜ介護施設で虐待が起きてしまうのか?の要因です。
もちろん、これも私の主観ですが、
①介護現場の大変さ。
②介護場面の閉塞性。
③組織の希薄さ。
に収束されるんじゃないかと思っています。
それぞれについては、次回から詳しく書いていきますが、私が介護業界に入ってから思う事は、本当に想定外の事が起きます。育児でも同じですよね。
想定外の出来事と想定外の自分
「まさか、まだ赤ちゃんのあの子があんな高い所によじ登るなんて・・・。」みたいな。
「なぜ、危険な方ばかりに寄って行ってしまうんだ。」みたいな。
人間には本来、防衛本能がありますが、赤ちゃんや認知症老人には、その危険情報がそもそもなかったり、少なすぎたり、間違った解釈をしたりしますからね。
私は、この「想定外」の事を、どれだけ「想定内」の出来事に変換し、また、個人単位で持っている「暗黙知」を、共通認識の「形式知」に出来るかを、職員みんなでディスカッションし、予測不可能な出来事を先回りして支配することが重要だと考えています。
想定外を想定内へ
つまり、介護現場においては、お年寄りには、「気持ちよく支配されて頂く。」事が大切だと思っています。
一つ例をあげると、この業界では、転倒などの「事故」に関しては特にうるさいです。転倒したら骨折しますからね。骨折したら、入院の可能性もありますからね。入院したらそのまま施設へ帰ってこれなくなる可能性もありますからね。
WIN-WINを常に考える
家族様はもちろんいつまでも元気に施設で過ごして欲しいと願っている人が多いです。
入院されると、もちろん心配され悲しまれるわけです。
施設としても、入院されると、収入が減ります。
つまり、「LOSE―LOSE」の関係です。
「WIN―WIN」の真逆ですね。
だから、その最悪な事態を防ぐ為に、現場の介護職員は、何とか転倒事故などをさせないよう、24時間必死です。
でも、お年寄りもそれに対抗するかのように動き回ります。
特に認知症が強いと、歩けないのに歩こうとします。何度も何度も、雑草魂かのごとく、職員からしたら意味なく思えても、認知症の方には意味があるようで、とにかくどこかへ歩いていこうとされます。
それで仕方なく、
「立ち上がったら危ないから座って!」
と職員からの声が飛びます。
こういう事例に悩まされ、こういう対応をしてしまっている施設が多いんではないでしょうかね?
これって、利用者にとっても、行動を制御されている→LOSE
職員にとっても、「こけるって~頼むから座っててよ~」という辛さ→LOSE
でもありますよね。
これを、「気持ちよく支配されて頂く。」という視点で、つまりWIN―WINの関係を築く目的で、知恵を絞っていく必要があるわけです。
※つづく