
どうも、八福神です。
先般の数日間にわたる記録的な大豪雨も明け、とうとう今年も夏が到来しました。
私の住む地域にも避難勧告が出ましたが、幸い、大きな被害が出ることはありませんでした。
しかし、地域によっては、大きな被害が出ており、100名を超える大勢の方がお亡くなりになりました。この場を借りて、心からご冥福をお祈り申し上げます。
さて、今日は、梅雨が明けたからといって、楽しい夏が来るからといって、あなどれない、熱中症のお話です。
毎年、毎年、聞き飽きるくらい、夏になるとこの言葉を聞きますよね?でも、そんなけ聞き飽きるくらい聞いてても、毎年大勢の死者を出すくらいの怖い症状なんです。
気を付けすぎるくらい、気を付けるのがいいという事でしょうね。
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熱中症の主な原因と症状、死亡者数の推移
では、そんな毎年のように大勢の命を奪っている恐ろしい熱中症なのですが、そもそもどうやって起こり、どんな症状になるのでしょうか?
熱中症の主な原因
人間の体は、体温が上昇した際、汗をかいたりして熱を体外へ放出します。こうして自動的に体温の調節機能を行い、36度前後の一定の体温を保つようになっているんですね。
しかし、何らかの要因によって、上手く体外へ熱を放出できず、体内に熱がこもってしまっている状態を熱中症と呼びます。
この要因として以下のようなものがあります。
環境的な要因
・高温多湿
・強い日差し
・閉め切られた空間
・空調がない(あっても使わない)
・季節の変わり目の温度上昇時
身体的な要因
・脱水傾向にある(下痢、二日酔い、糖尿病)
・高齢者
・乳幼児
・肥満
行動的な要因
・屋外での長時間の作業
・水分補給をしていない
・激しい運動
確かに、熱中症になられている方は、だいたいどれかには該当していますよね。
高齢者になると、このうちの複数の要因を一度に持っている方が多い気がします。
だから、高齢者は危ないんですね(;^ω^)
熱中症になるとどんな症状が起こる
熱中症は熱を体外に放出できないわけですから、字のとおり、体内に熱がこもります。
よって、まず体温が高く上昇します。
そして、めまい、たちくらみ、倦怠感、吐き気、など、まぁ、簡単に言うと、朦朧(もうろう)とした状態ですよね?
初期の段階であれば、日陰で休み水分をしっかりとって休養すれば、症状がおさまる場合もありますが、ひどくなると、熱中症は意識障害をもたらします。
そう、意識がないような状態です。呼びかけても返答しない。自分で動けない。だから水分をとろうにもとれない。こうなったら、もう超危険です。大至急、119番通報し救急車を呼んでください。
なぜ熱中症がここまで猛威を振るっているのか?
皆さんも、同じような感じを持たれる人もいると思うのですが、私は、
「自分が子供だった頃、熱中症なんてここまで叫ばれてなかったよな~。確かに昔に比べて暑くはなってるけど、人間が弱くなったんだろか?」
なんて、思ったりもします。
でも、いろんなデータを見ていくと、明らかな統計があります。
年別、熱中症による死亡者の推移
引用:http://www.eic.or.jp/library/challenger/img/ca066/zu_01L.jpg
上の図を見ると、一目でわかるように、2010年にとてつもなく熱中症死亡者が増えています。これはどういう事かと言うと、
2010年は統計市場最も平均気温が高かった
過去113年間で一番暑かった2010年
という事なんです。
過去113年で一番暑かった・・・ですって・・・。そりゃ、人間もおかしな事になりますよね(;^ω^)
これほどの高温を記録した要因としては、「冷涼なオホーツク海高気圧や寒気の影響が少なかったことや、エルニーニョ現象の影響で北半球中緯度の対流圏全体で気温が上昇したことなど、複数の条件が重なったと考えられる」という事です。またその背景には、温室効果ガスの増加による地球温暖化の影響もあるとのことです
また、日本の平均気温は、100年あたりおよそ1.1℃の割合で上昇しているそうです。特に、1990年代以降は高温となる年が頻繁にあります。日本の気温上昇が世界に比べて大きいのは、日本が、地球温暖化による気温の上昇率が比較的大きい北半球の中緯度に位置しているためという説があります。
なぜ高齢者は住宅内でも熱中症になってしまうのか?
熱中症の認知度は年々上がってきて、知らない人はほぼいないと思います。
しかし、「住宅内でも熱中症になる」という事に関しての認知度になると、かなり下がります。
そりゃまぁ、家の中ですから、日差しは受けてませんからね、普通に考えたら、ありえないって思いますよね(;^ω^)
でも、実際のところは、寝室、居間、台所のいたるところで熱中症と思われる症状を体験している高齢者も多いという事です
では、なぜ日差しも大して浴びない住宅内で特に高齢者の方は熱中症になるのでしょうか?
考えられる要因について見ていきます。
温度に対する感覚が弱くなる
これは、ほとんどの方が実感としてもっておられると思うのですが、高齢の方って夏場でもパッチをはいたりしますよね(;^ω^)
また、若い人みたいに「暑い!暑い!」とは言いませんよね。
でも、実際の気温は誰にも等しく、「今日の〇〇市は炎天下の36℃!」などであったりするわけです。暑く感じないのは、体感だけの話で、実際はかなり暑いのです。
このように高齢者は、体温調節機能が低下している為、真夏とは言わず、季節の変わり目の5~6月にも急激な気温上昇についていけず、熱中症を発症する人も多かったりします。
クーラー、扇風機嫌い
なんでも昔の感覚で、「窓を開けてりゃ涼しい」といった意識を持たれている人は多いです。
よく熱帯夜の続く日に、ラジオのパーソナリティの人の話を聞いていても、
「いや~昨日は暑かったですね~。昨夜はさすがに私も冷房を少しだけ入れましたよ。」
な~んて、自慢気に言われている人いますが、あれ悪影響ですよ・・・(;^ω^)
メディア関係の方々は、発言に注意を払っていただかないと、影響力が大きいですからね。
ほんと、高齢者の方は特に
もっと空調を利用しましょう!
気温上昇、年平均からの差
ここでも一つデータを引用させてもらいますが、「窓を開けてりゃ涼しい」と意固地になる人は是非見てください。
平均気温は、ほんの数十年前の我々がまだ子供だった頃に比べ、こんなにも上がっているんです。
引用:https://www.data.jma.go.jpcpdinfotempan_jpn.html
認知症による環境調節の不備
また、高齢であるだけでなく、認知症も発症しているとなると、
暑くなっていても衣類を脱ぐという行為が出来ない。
エアコンがあっても使い方がわからない。
水分をとることも忘れている。
などの症状があったりします。
私は施設で高齢者介護の仕事をしているわけで、数々の認知症のお年寄りの介護をするわけですが、高齢者の方ってたとえ自力で動ける人でも、
自ら水分摂取をする人が本っ当に少ない!!
です。
だから、こちらから促してあげないと、たぶんほとんどの人が脱水になって、熱中症を引き寄せてしまいかねません。
高齢者に呼び掛けて欲しい熱中症の予防法
水分摂取の習慣で熱中症を防ぐ!
まずは、基本の水分です。人間の体のほとんどが水分ですから、基本中の基本ですよね。
でも、介護をされている方はよくご存じだと思いますが、とにかく、
高齢者って水分をとりません
よね(;^ω^)
自ら飲まないのはもちろん、こちらがあの手この手で手を替え品を変えしても、飲まない人は、やっぱりあまり飲みません。
だから、まだまだ介護のお世話にならなくて良い元気な人も、今のうちから、適度な水分を摂取する習慣を身に付けておかれる事をお勧めします。
ビールやコーヒーはダメですよ!(^_-)
私も水を意識しだしてから、朝一番の寝起きにうがいをしてから、クリアな冷水を1杯飲む事を習慣づけています。今や、逆にそれがないと1日が始まりません(;^ω^)
空調設備の有効活用で熱中症を防ぐ!
先ほども書きましたが、とにかく高齢者は、クーラー等の空調設備が嫌いな人が多いです(;^ω^)
まあ、私もどちらかと言うと、クーラーより扇風機派なんですが、余計なプライドや意地を張って命を奪われてしまってはバカらしいですからね(;^ω^)
自立した高齢者の自宅での熱中症が多いと聞きます。
逆に高齢者施設では熱中症なんてほぼ皆無です。
つまり、誰かが適切に管理してあげないと、今後も独居老人の自宅での熱中症死亡例が考えられるという事です。
こちらも元気なうちから早めに体を慣らしていきましょう!
食事による栄養摂取で熱中症を防ぐ!
食事をしっかりと摂ることにより、栄養がしっかりと補え、虚弱体質になりにくいだけでなく、食物内にもしっかりと水分が含まれています。
しっかりと3食食べられている方は、その食物の中から、約1000ml/日の水分摂取が出来ていると言います。
食はやはり基本です!
適度な運動で熱中症を防ぐ!
これは高齢者に関係なく、若い人でも言える事です。
廃用症候群の記事の所でも書きましたが、人間の体は、使わないとどんどん色んな機能が弱っていきます。
生活不活発病と言われるものですから、体温調整機能なんかも同じく、急激な気温変化にも対応できるようにしておくには、日ごろから適度に体を動かしておく必要があります。